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連載コラム 2012年02月07日

明石のノリ

三島 順子

 ノリの養殖場で棚からノリの芽を刈り取る作業を見学する機会に恵まれました。

  

都会の田舎で育った私は、野菜畑、スズメ除けの銀テープと稲穂がたなびく田んぼ、農家のおじさんが市場に出さなかった野菜を近隣の住宅へ売りに来る姿、あぜ道を走るトラクターなど農業の一端に触れることはあった子ども時代でした。ですが、海といえば「海水浴の海」しか知らない私にとって「働く海」、「食べ物のとれる海」に接するのは初めてのことです。

 見学前に「現在、ノリの刈り取り作業は機械化されており、網の下に船がもぐって、機械で刈り取ります。」と見学前の話だけでは、どのような状態なのかが全く想像ができませんでした。養殖場ではノリの種が植え付けられた幅2メートル、長さ100メートル以上の網が海面に数十箇所、張られています。刈り取り船の船首部分に金属レールが触角のように突き出ており、それで網を下から掬い上げます。そしてレール上を養殖網が滑り、持ち上がったその下を船が通ります。その網が船上に来たときにカッターで芽が刈り取られるそうです。ユーターンを繰り返しながら、長く張られた網を何度も横切るように往復しながら刈り取り作業は進んでいきます。作業後、港に戻ると刈り取った芽はホースで船から直接、加工場のタンクへと吸い上げられます。こちらも、以前なら船と加工場の間を何往復もして人が運んでいたのだそうです。

 これまで、私自身は消費者として店頭に並んだものを見る場合、手頃な価格であることも購入を決める際の一つの指標でした。この度の見学では刈り取り作業以外にも、ノリの加工場や検査、出荷作業も併せて見学することができました。市場に出てくるまでの工程を垣間見ただけでも、ノリは冬しか収穫できず、天候に左右される食べ物(実際に、見学した日の前日、前々日は海が荒れて刈り取りできていないとのこと)であると思ったときに、市場での価格が安いのか、高いのかがわからなくなってしまいました。物事の裏を見ることができただけで、感じ方が変るのだと実感した出来事でした。

 

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