
1981年、“小さな灯”運動の開始と同時に、従業員等からの寄付で“小さな灯”基金を創設、現在もさまざまな機会に従業員から寄せられた寄付金を災害義援金や社会的課題に取り組む団体への財政支援に役立てています。
2010年度は、30周年記念事業として、この“小さな灯”基金を使った「子ども支援市民活動助成プログラム」を実施しました。これは、難病や心身障がい等の困難を抱える子どもを支援する団体への助成事業で、社会福祉法人大阪ボランティア協会の協力を得て運営していくものです。候補団体を公募した後、厳正な審査によって、14団体を選びました。2011年度からの3年間、1団体あたり3年間で最大50万円を助成します。

この“小さな灯”基金とは別に、大阪ガス社内の福利厚生制度を活用して従業員に寄付の機会を提供する「大阪ガスともしびクラブ」を2009年から始めています。これは、毎年会社から従業員に付与される福利厚生制度利用のポイントを、個々の従業員の意思で各種団体に寄付できるようにしたもの。2010年度は、総額284万6,000円の寄付金が集まり、従業員の想いとともに各団体へ寄贈しました。
古書のリサイクルバザー
2010年も、地域からの期待に応えることを目標とした各種ボランティア活動を継続。地域清掃をはじめ、子どもたちや障がい者・高齢者の方を支援する多彩な活動を展開しました。
東日本大震災の被災地では、社員がボランティア活動としてがれきの撤去作業等を行いました。
1987年から、児童福祉施設の子どもたちを招待する「ともしびこどもミュージカル」と「ともしびこども劇場」を毎年開催しています。
12月のクリスマスイベントである「ともしびこどもミュージカル」は、大阪ガス本社に子どもたちを招待し、「愛・夢・勇気」をテーマにした本格的なミュージカルや鍵盤ハーモニカの演奏を楽しんでもらうもの。2010年度は、大阪、兵庫、奈良の13の児童福祉施設の子どもたちや職員の方々157名を招待しました。参加者の誘導には従業員ボランティアやOBが協力し、ミュージカルが終わった後の「交流タイム」には、子どもたちと一緒にクリスマスソングを合唱し記念撮影をするなど楽しいひとときを過ごしました。
クリスマスともしびこどもミュージカル
夏休みイベントである「ともしびこども劇場」は、子どもたちに本格的な舞台芸術を楽しんでもらうことを目的としたもので、兵庫県立ピッコロ劇団による生の演劇公演は子どもたちに大好評です。
すずらん会チャリティ寄贈
高齢者の方々がいきいきと暮らせるように、チャリティ募金や、各種NPO等との協働によるイベント等に継続的に取り組んでいます。
例えば、大阪ガスのOB会である「大阪ガスすずらん会」では、1990年から、会員自作の絵画や書を出品する文化展を開催し、作品等を販売して得た収益金で“小さな灯”運動を通して地域の高齢者福祉施設に必要な物品等を寄贈しています。2010年度は、10月に「第20回すずらん会文化展」を開催しました。集まった49万円に“小さな灯”基金を合わせた計108万9,235円を社会福祉協議会や高齢者施設等15の団体に寄贈しました。
大阪ガスのクッキングスクールでは、視覚障がい者団体の皆さまを対象に、ガス火料理を楽しみ、豊かな食生活を送っていただくための一助として、料理講習会を開催しています。メニューは大阪市視覚障害者福祉協会女性部さまと相談して決定し、同協会でつくっていただいた点字レシピを使用。料理説明では、食材を触って形を確認していただくなどの工夫をしています。
2010年度は2回開催し、介助の方々を合わせて計80名が参加。最新のガラストップコンロやオーブンを使って、旬の野菜や季節の料理を調理し、試食していただきました。参加者からは「料理のちょっとした工夫を知る良い機会」「料理の楽しさやおいしさを皆で一緒に味わえて楽しい」などの感想をいただきました。
料理講習会
点字制作物
“小さな灯”運動がスタートした翌年の1982年、従業員を対象とする点字講習会が開催され、その受講生の中から有志が集まって点字ボランティアサークル「ともしび」を発足させました。
主な活動は、点訳カレンダーの作成や課題図書・人気図書の点訳で、大阪府立視覚支援学校等に寄贈を続けています。
大阪ガスグループの“小さな灯”運動を推進している部署が「いきいき市民推進室」という名称であることに感銘を受けました。社員が皆「いきいき市民」であって欲しい、という発想は社会貢献の本質ですが、企業社会の現実の中で真正面から言い切ることに企業としての覚悟と誇りを感じました。30年を超える地道な活動に改めて敬意を表します。
東日本大震災では、被災者の自助・共助の精神が私たちの心を打ち、国内外の企業や市民が被災者や復興のために働く姿が多くの人を勇気づけました。同時に、非常時の支援活動には、平時からの信頼関係づくりが不可欠であることも示しました。ライフラインを預かる御社では、日頃から絆づくりに努力されていると思いますが、今後も双方向のコミュニケーションをより密にしていただきたいと思います。夢と志のある仕事や地域活動を内外に示すことが、次世代を担う子どもたちへの大きなエールになります。
今後も心のこもった活動を進め、多くの「いきいき市民」を社内外につくり続けてください。
公益社団法人日本フィランソロピー協会
理事長 高橋 陽子さま