CSR憲章Ⅱ環境との調和と持続可能な社会への貢献
Daigasグループバリューチェーンの環境負荷
大阪ガスグループバリューチェーンの環境負荷(2016年度)
Daigasグループ事業全体のバリューチェーンを対象に、温室効果ガス(GHG)排出量を算定しました。算定は、国際標準であるGHGプロトコルのガイダンスに基づいて実施し、その方法および結果については、第三者機関により信頼性、正確性に関する検証を受けています。
2016年度のGHG排出量総計は約3,613万t-CO2となり、当社グループの自らの事業活動に伴う排出(スコープ1、スコープ2)は約436万t-CO2で全体の約12%、グループ事業のバリューチェーンにおける他者での排出(スコープ3)は約3,177万t-CO2で全体の約88%であることが分かりました。
全体の約55%(1,991万t-CO2)が都市ガスの燃焼に起因するお客さま先での排出であり、CO2排出の少ない天然ガスを利用した一層の省エネルギーの推進や、当社グループが進めるエネファームやコージェネレーションシステム等の高効率機器・システムのさらなる普及拡大による社会全体でのCO2削減が重要です。
一方、自らの事業活動では、発電事業による排出が全体の約11%(390万t-CO2)を占め、最新鋭の高効率発電設備や再生可能エネルギー電源の導入による排出抑制に今後も取り組んでいきます。
また、原材料や燃料の調達による排出が約16%(590万t)であり、そのうち、LNG等のエネルギーの調達によるものが9割弱を占めており、サプライヤーと連携した取り組みや輸送船の燃費向上等に引き続き努めます。
GHG排出以外の環境負荷には、廃棄物(一般、産業)、ガス導管工事での掘削土やポリエチレン(PE)管廃材などがあります。これらは高い再資源化率を達成しており、今後もその水準の維持に努めます。取水については99%以上が海水です。海水は主に都市ガス製造所においてLNGの気化のために、また、一部の発電所において蒸気タービンの復水器での冷却のために利用しており、適切な管理のもと消費することなく海に排水しています。
バリューチェーンにおけるGHG排出量(2016年度実績)

LCAによる化石燃料のGHG排出量(CO2換算)評価
下表はライフサイクルアセスメント(LCA※1)手法により化石燃料が生産から燃焼されるまでの各段階におけるGHG排出量(CO2換算)の比較です。LNGは、温室効果ガス排出量が化石燃料の中で最も少ないクリーンなエネルギーです。
温室効果ガス排出量比較(g-CO2/MJ、総発熱量基準)
石炭※2 | 石油※2 | LPG※2 | LNG※3 | 都市ガス13A※3 | |
---|---|---|---|---|---|
生産 | 4.58 | 4.06 | 4.94 | 7.93 | 7.48 |
輸送 | 1.71 | 0.79 | 1.80 | 1.97 | 1.48 |
国内製造 | - | - | - | - | 0.19 |
設備 | 0.11 | 0.08 | 0.11 | 0.05 | 0.34 |
燃焼 | 88.53 | 68.33 | 59.85 | 49.50 | 50.96 |
合計 | 94.93 | 73.26 | 66.70 | 59.45 | 60.46 |
比率 | 160 | 123 | 112 | 100 |
※1 Life Cycle Assessment(ライフサイクルアセスメント)の略。製品やサービスについて、使用される資源の採取から製造、輸送、使用、リサイクル、廃棄にいたる全ての工程での資源やエネルギーの消費、環境に与える負荷の程度をできる限り定量的かつ総合的に調査・分析・評価する手法です。
※2 出典:「LNG及び都市ガス13Aのライフサイクル温室効果ガス排出量の将来予測」(「エネルギー・資源」第28巻、第2号 2007年3月)
※3 出典:「LNG及び都市ガス13Aのライフサイクル温室効果ガス排出量の算定」(2016.6.6〜6.7 第35回エネルギー・資源学会 研究発表会 講演論文集)