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CSR憲章Ⅰお客さま価値の創造

安心・安全3 供給段階

特定したマテリアリティ

  • 顧客の安全衛生

取り組みの背景・考え方

都市ガスの安定供給を支えるため、計画的な設備更新やパイプライン網の整備に努め、より高い供給安定性を確保する基盤の強化を進めてきました。

供給設備の信頼性を高めるとともに、24時間365日の緊急出動体制を構築し、不測の事態の備えにも万全を期しています。また、保安の技能向上と伝承を図るため、保安に携わる人材育成にも努めています。

■ 都市ガスの供給フロー

製造所で製造された都市ガスは、高圧または中圧で送り出され、その後、ガスホルダーでの貯蔵や整圧器(ガバナー:ガスの圧力を一定の範囲に調整する装置)での圧力調整を経て、お客さまにお届けしています。

ガス供給の仕組み

広域パイプライン網の整備

ガス導管の広域網の形成

大阪ガスグループは、近畿圏を中心に6万kmを超えるパイプライン(ガス導管)網を張り巡らしています。製造所から高圧で送り出した都市ガスは、その後、パイプラインの随所に設置した整圧器で中圧、低圧と徐々に圧力を下げていきます。こうして、工場・オフィスビル・ご家庭等、供給エリアのすみずみにまで、安全にかつ安定的にガスをお届けしています。

大阪ガスは、こうしたパイプライン網を長期的な供給計画に沿って拡充しています。2014年には「三重・滋賀ライン」と「姫路・岡山ライン」が完成し、パイプライン網はさらに広がりました。

大阪ガスグループの都市ガスサービスエリア

大阪ガスグループの都市ガスサービスエリア

三重・滋賀ライン、姫路・岡山ラインの開通で供給信頼度が向上

大阪ガスの多賀ガバナステーション(滋賀県多賀町)と中部電力(株)の四日市火力発電所(三重県四日市市)とを結ぶ天然ガスのパイプライン「三重・滋賀ライン」(全長約60km)の開通により、当社は中部電力(株)からガスを受けることが可能となり、都市ガスの供給信頼度がさらに向上しました。

一方、中部電力(株)は、発電用の天然ガスが緊急的に必要な場合、大阪ガスから天然ガスを受けることが可能となり、バックアップ体制が整備されたことで、電力の供給信頼度が向上しました。

また、2014年4月の真砂ガバナステーション(兵庫県姫路市)と岡山県岡山市を結ぶ天然ガスパイプライン「姫路・岡山ライン」(全長約86km)の開通により、姫路から岡山間のお客さまにも最適なエネルギーソリューションを提供し、天然ガスの安定的な供給に貢献していきます。

関西電力(株)の相生発電所向け相生ラインに天然ガス供給を開始

関西電力(株)の相生発電所に、発電燃料用の天然ガスを供給する「相生ライン」を開通し、2016年4月から供給を開始しました。「相生ライン」は「姫路・岡山ライン」相生ガバナステーションと相生発電所内メータリングステーションを結ぶ全長約3kmで、相生発電所の1号機と3号機に天然ガスを供給しています。

多賀彦根補強導管の全線開通で供給安定性が向上

パイプライン「多賀彦根補強導管」(全長6.1km)が2015年9月に全線開通しました。これにより、多賀ガバナステーション(滋賀県多賀町)から滋賀東事業所(彦根市)までの中圧輸送導管が二重化し、このパイプラインと、滋賀東事業所から長浜市内までを結ぶ「彦根長浜補強導管」(2013年3月開通)がつながることで、都市ガス供給のバックアップ体制が整備され、彦根・長浜地域への供給安定性が大幅に向上しました。

供給時の安全対策

ガス導管の維持管理

強度に優れたポリエチレン製のガス管

強度に優れたポリエチレン製のガス管

大阪ガスは、パイプライン(ガス導管)を通じて都市ガスをお客さまにお届けしています。したがって、ガス導管の安全確保と適切な維持管理を最重要課題の一つと考え、古い金属製のガス管については、耐久性と耐震性に優れたポリエチレン(PE)管への入れ替え工事を進めています。

事故の未然防止のための保安対策

橋梁管の定期点検

橋梁管の定期点検

大阪ガスは、ガスもれ事故などを未然に防ぐために、以下の保安対策を徹底しています。

  1. ガスもれのないことを確認するためのガス導管の定期的な検査
  2. 整圧器、バルブ、橋梁管など、各設備の点検および整備
  3. 上・下水道、電気、電話など、他企業体の道路掘削工事等に対する事前協議、立ち会い、見回り

一元的なガス供給監視・制御システムの構築と運用

本社中央保安指令部

本社中央保安指令部

大阪ガスの本社中央保安指令部では、24時間365日の体制で、ガスの安定供給と安全を見守っています。

製造所からパイプライン網のすみずみに至るまで、常時目を光らせておく「ガス供給監視・制御システム」を構築。パイプライン網の各設備からガスの圧力・流量・異常の有無等のデータをリアルタイムに集約、一元的に管理し、遠隔操作装置等によって製造・供給のコントロールや異常の監視を行っています。

サンドブラスト発生時の対応力強化

サンドブラストの仕組みイメージ図

2011年6月20日、京都市西京区洛西ニュータウンを中心とした地区で、サンドブラストによるガス供給不良事故が発生しました。

この被害を受け、大阪ガスでは、通報を受けてから供給停止範囲を決定するまでの初動対応と災害復旧を支援するシステム「BRIDGE」を開発し、定期的に総合的な訓練を実施しています。

今後もサンドブラスト復旧訓練を継続して行い、さらなる保安の強化に取り組んでいきます。

緊急時対応・災害対策

24時間365日の通報受付・出動体制

事故や災害の発生など、緊急時に特に重要になるのが初期活動の体制と対応力です。

大阪ガスでは、「広域一括保安体制」を構築しています。ガスもれ等に関する通報の受け付けや現場への出動指令等の業務を本社中央保安指令部に集約し、車両の位置情報や稼働状況を総合的に判断したうえで、最も早く現場に到着できる緊急車両に出動を指令しています。

なお、ガスもれ等の通報は、24時間365日、専用電話で受け付けています。通報受け付け後は、警察・消防などの関係機関と緊密に連携しながら、直ちに現場に駆けつけます。

本社中央保安指令部(通報の受け付け)

本社中央保安指令部(通報の受け付け)

エリア内5事業所・41保安基地による緊急時出動体制

通報内容に合わせた3つの緊急出動体制

お客さまの通報内容に合わせて迅速・的確な保安措置を講じるため、以下の3つの緊急出動体制を整えています。また、緊急時対応能力の向上を目指して、従業員教育も日常的に実施しています。

  1. 一般出動:事故の発生の恐れがない場合の出動体制。現場へは、サービスパトロールカーが出動します。
  2. 緊急出動:事故が発生したときや事故の恐れがある場合の出動体制。原則2人以上の係員が緊急車両で現場に急行し対応します。
  3. 特別出動:緊急出動では対応が困難な場合の出動体制。事故の内容に合わせて、第1次から第3次までの特別体制を編成します。

大規模地震対策

全社総合防災訓練

全社総合防災訓練

大阪ガスは、耐震性に優れたポリエチレン(PE)管や地震の揺れを感知してガスを遮断するマイコンメーターの導入、緊急時の通信ネットワークの確保等、大地震に備えた様々な対策を講じてきましたが、1995年の阪神・淡路大震災以降、これらの対策を一層強化してきました。

供給区域内の258カ所に地震計を設置し、地盤の揺れ(SI値)等の情報を迅速に把握できるようにしています。また、万一ガス導管に被害が発生する可能性がある地盤の揺れを検知した場合には、二次災害を防止するため、ガスを自動的に止める感震自動遮断装置(約3,000カ所)や本社中央保安指令部からの遠隔操作でガスを止めることができる遠隔遮断装置(約3,500カ所)によりブロック単位でガスの供給を停止します。さらに、本社中央保安指令部が被災した場合に備え、同機能を有する中央指令サブセンターを京都に設置しています。

また、上記のハード面の地震対策に加え、全社総合防災訓練やe-ラーニングを活用した教育など、有事の際の従業員の対応力強化を図るためのソフト面での対策も講じています。

2016年度の全社総合防災訓練は、全社地震訓練と事業継続計画(BCP)訓練を同時に行い、災害対応と事業継続の各業務を同時進行で行うことによる様々な課題を検証しました。本訓練は南海トラフ地震発生を想定し、約2,300人が参加しました。本荘社長を対策本部長とする本社対策本部を確立したうえで情報を共有し、被害確認・体制確立・供給停止判断などの意思決定プロセスを確認するとともに、各組織においても個々に実践的な訓練を行いました。加えて、2015年12月より運用を開始した津波による二次災害を防止するための沿岸防災ブロックの供給停止訓練を実施し、BCP訓練では、あらかじめ定めている継続すべき重要業務に対する要員の割り当てや手順の確認を行いました。

台風や豪雨時の積算雨量や土砂災害等の情報を一元的に把握

2015年7月の台風11号襲来時の雨量データ

2015年7月の台風11号襲来時の雨量データ

大阪ガスは、台風や豪雨時の積算雨量や土砂災害等の情報を一元的に把握できる「台風・豪雨情報システム」を開発し、2015年7月に運用を開始しました。

これまでは情報を把握するために、気象庁や国土交通省のウェブサイトなど様々な情報源を個別に確認していました。このシステムの運用により、供給エリア全域の情報を一元的に集約し、エリア内の状況を迅速に把握します。

災害復旧支援システム「BRIDGE」、災害復旧支援モバイル報告システム「OG-DRESS」の運用

災害や事故により停止したガス供給の復旧には、様々な部門が密に連携して取り組む必要がありますが、そのためには、関係者が現場状況を即時に共有することが重要です。大阪ガスでは、災害や事故発生から復旧に至るまでの情報を一元的にリアルタイムで管理する災害復旧支援システム「BRIDGE」を開発、2012年4月から運用しています。このシステムでは地図情報と顧客情報を連携させるとともに、現場における進捗状況を一元管理することで復旧作業を“見える化”し、作業完了までの期間の短縮にもつながりました。また、携帯電話からの作業報告を可能にする災害復旧支援モバイル報告システム「OG-DRESS」により迅速な対応に努めています。

復旧キーパーソン訓練を開催

2016年11月も、2015年度に続き災害復旧の際に活動の柱となる人材の育成を目的とした「復旧キーパーソン訓練」を開催しています。

今回は、熊本地震の応援活動で培った経験を活かし、ガス供給停止が発生した場合を想定し、復旧計画を立案する訓練を実施しました。

保安・防災の高度な知識・技能の伝承

導管事業部技能選手権の様子
導管事業部技能選手権の様子

導管事業部技能選手権での様子

大阪ガスでは、保安と防災に関する高度な知識や技能を持つ人材の育成に努めています。導管事業部の人材開発センターでは、ベテラン技能者の定年退職に備えて、2007年度から新たな人材育成体系の運用を開始しました。事故を起こさない仕組み(保安文化)を構築するため、組織的・計画的な人材育成と、作業手順の意味・背景を教える「know-why」の浸透を目指した教育を推進しています。また、過去に発生した様々な失敗事例から得た教訓を伝承するため、失敗時の状況を再現した体感型の訓練施設等も設けています。

さらに、導管業務の技能や知識を競い合う「導管事業部技能選手権」を2015年から開催しており、保安レベルの向上に努めています。

このほか、お客さまの敷地内のガス管やガス機器を担当するリビング事業部、エネルギー事業部それぞれの人材開発センターでも様々な訓練が行われています。

熊本地震への支援について

熊本地震への支援の様子1
熊本地震への支援の様子2

ガス管内に入った水の滞留箇所を調査

地震対策、復旧活動の経験を活かして

2016年4月16日未明に発生した熊本地震により、熊本県において10万884戸のガス供給停止が発生しました。

大阪ガスは、(一社)日本ガス協会(以下、JGA)の要請を受け、857人の復旧応援隊と作業車両を現地に派遣しました。また、JGAからの要請に応じて、移動式ガス発生設備40台を現地に搬送するなど、都市ガス事業者からの応援隊と合わせ総勢2,676人が、熊本の地でガス復旧活動にあたりました。

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